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ニッセン

■ タロットカードの意味 - 大アルカナ
  12.THE HANGED MAN.(12.吊し人)

忍耐。抑圧。根気のいる作業。教訓。警告。整頓。律する事。待つ事。 我慢。抑圧。先が見えない。意に添わない事。警告。脅し。徒労。無駄な事。
ゲブラー―ホド。23番目のパス。13番目の文字。メム、M、水・波・海の水。水。



逆さまに吊り下げられた男。 吊し人です。
タロットの中では割と嫌われてるカードでしょうね。 死神、悪魔、塔と並んで四大嫌われ者じゃないでしょうか。 よく言われるタロットの意味は「我慢我慢我慢の上に更に我慢、しかも無駄に終わる」ですから仕方ないのかも知れません。 誰でも我慢するのは嫌いですし、特に最近は何かに耐える様は軽んじられ、 いつだって自己主張する方が偉いと見られがちですからね。

では、ここらでカードを見てみましょう。 カードには男性が一人。ただし彼は天地が逆になっています。 逆立ちしているのではなく、足をロープで縛られ木に吊されています。 ただし、男性に苦しそうな様子は見えません。 おまけに彼の頭部には後光が差しています。

そして自由に動く足を曲げて、縛られた足と交錯させています。 両手は背中に合わさっていますが、これは縛られているからか、それとも自らの意志でその姿勢を取っているのか、 それは描かれていません。 彼がつり下げられた木は、真っ直ぐに伸び、天頂でT字型に横に伸びていきます。

彼はなぜ吊されているのでしょうか。 一つ前のカードは正義でした。 では、彼は正義の女神に裁かれて何か罰を受けたのでしょうか。 罪を償っている最中でしょうか。 しかし、吊し人は苦しんでいるようにも悔やんでいるようにも見えません。 正義の女神との対峙は、吊し人となるヒントと許可を与えるものだったのでしょう。 彼は自ら望んで、何かの為に何かを待っているように見えます。

ここでぐぐっとカードを遡ってみますと、何かを探していた人物がいましたね。 そう、三枚前の隠者です。 この吊し人は当て所もなく目指すものを探していた隠者が、やっと探し物の目処がついたカードです。 そして隠者は探し物を手に入れる方法も見つけています。 それがこの吊された状態です。

だから吊し人は苦しげな様子をしていません。耐えているようにも見えません。 彼は喜んでいるからです。当てもない旅路を終え、ようやく答えを見つけたからです。 今までの長い旅路に比べれば、今少し吊されている状態など大した苦ではないのでしょう。 隠者は愚者と魔術師により、吊し人となりました。

ただし、まだ最後の結果は出ていません。 まだお預けの状態です。そう言う意味では、やはりこれは「我慢」のカードですね。 しかし、その我慢は無駄な我慢ではなく、必要な我慢、自らが望んだ我慢でもあるでしょう。
04/06/19



規律は必要なものである。息苦しく畏怖すべきものだが必要である。 整備し、施行し、制御しなければならない。その為に知性を行使し、制限を施す。

これはあれですね、正義に引き続きあまり好まれない要素だと思います。必要なものなのですが。
例えば病院に行って診察券を出して診察を受けるまで、じーっと無駄に待っていなければならない。 自分の順番が来るまで待ってるんですね。 必要だから。 または1万ピースくらいのバラバラになったジグソーパズルを、せっせと組み立てている感じです。

物事が生まれて成長して枠にはめられる、その、はめられる過程です。 新しく会社が出来て、融資先を探したり社則を作ったり社員を募ったり取引先を探したり、 そうやって「会社」と言う仕組みがそれなりの形を整えるまでには時間もかかるし、精神的疲労も大きいし、 体力も必要でしょう。 そう言う必要なんだけど大変な事、その過程を表しています。 だから楽しくもないし面倒臭いものです。

これは運命の輪の対ですね。あちらは楽しいし踊ってるんですけれど、こちらは重いというか息苦しいというか。 運命の輪は天の恵みに感謝して喜んで楽しいですが、 吊し人は上からやってくるものを受け止め為に今か今かと待ち受けて、それを支えているというか。 運命の輪が乾期に降る恵みの雨としたら、 吊し人は嵐がやってきて窓が飛ばないように必死に押さえてる感じですかねぇ。

絵が表す通りのものもありますね。 まぁ、教訓とか警告とか見せしめです。 不祥事を起こして役員が謝ったり首が飛んだり左遷されたり。 お母さんが子供を叱るのに「悪い子はナマハゲに浚われちゃうよ!」と脅すようなもんでしょうか。 最近の改変された昔話ではなくて、漫画日本昔話で放送していたような、 昔ながらの知恵や家族や村落などの群れを維持する為、守る為の教えのようなものですね。






 



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