柔軟。従順。真面目。臨機応変。処理。余裕。ゆとり。集中。熱心。追求。
不手際。不器用。機械的。流れ作業。無感動。無機質。不謹慎。不摂生。怠惰。
ティファレト―イェソド。25番目のパス。15番目の文字。サメク、S、支柱・支え。射手座。
一人の天使と遙かな道、そして泉。
節制のカードです。
このカードは一言で言うと、寄り道のカードです。
寄り道、本来の道筋ではない場所、当初は必須でなかった道。
では無駄なのかと言いますと、それはまた違います。
例えば昔話の桃太郎では、桃から生まれた桃太郎が鬼ヶ島に鬼退治に行きます。
その途中で猿とキジと犬をお供にしますが、これも一つの寄り道です。
桃太郎の目的は鬼ヶ島に鬼退治に行く事ですから、
その道中で吉備団子を挙げて仲間を集める事は、立派な寄り道になります。
でもこの寄り道は必要な寄り道ですね。
予定にはなかったけれど、その寄り道をした事で仲間が増えたのですから。
節制のカードにも、そんな寄り道と同じ匂いがします。
正義の女神と禅問答を繰り返して、しばらく待ってみて、死神の試練をくぐり抜けて、
山を越えてやって来たら、泉に天使が舞い降りています。
予定外の遭遇です。
でも定められていたものです。
私には予定外であるけれど、運命にとっては予想内の出来事。
これもまた、運命の輪に翻弄された結果かも知れません。
とは言ってもチャンスは有効に生かすべきです。
ここでも某かの問答が繰り返されるのでしょう。
ただし節制は正義、死神とは一味違います。
正義も死神も見た目が厳しそうで、これは手強いとわかりやすさがありましたが、
節制は曖昧模糊としていて掴み所がありません。
これは若いカードのシンプル故に馴染みがなくわかりづらい感覚と似ていますが、
十四枚目のカードだけあって、そんなシンプルなものでもありません。
節制は辣腕家です。
何と言っても天使です。半端なく長生きしています。
交渉術に置いては、そこいらの人間が太刀打ち出来るものではありません。
ですから正義、死神以上に上手な応対が求められます。
節制は本音を見せません。のらりくらり交わします。たぬきです。狸オヤジです。
節制以上の駆け引きを持ってして有利な情報を引き出すのは難しいです。
しかし、昔話にはこういう場面は付き物ですね。
そこにヒントがあります。
昔話では、いつだって正直に素直に純粋に生きた人が幸せな結末を迎えます。
十四枚目まで進んで、まだ最初のピュアさを保っているか、節制の天使はそれを確かめているカードです。
04/06/19
このカードは手際が良くて、それでいてアクセクせずに、ゆとりがあるカードです。
または、そこを通過しないと進めない場所にある関所みたいなものですかね。
例えるなら税関とかお店の入り口とか。経理とか総務とか工場の流れ作業もそうですね。
忙しい時はくるくる立ち働いて、次から次へとお客を捌いていく。
しかしプロたるもの内心で目が回っていようと、表には出さずににこやかな笑顔を張り付かせているような。
まぁ、このカードは、焦りはしないでしょうが。
重要なポイントで見逃すわけにも手を抜く事も出来ない場所です。
忙しい時には忙しいなりの方法を、余裕がある時には余裕がある時の方法を適切に使い分けます。
東京駅とか試験とか面接も当てはまるかな。臨機応変という事ではサービス業も当てはまりますね。
割と従順で大人しいでしょう。上には従います。
でも頑固。
自分のやり方に口出しされるのは好きじゃないし、
間違ってる事やいい加減な事を押しつけられたらキッパリとはねのけるでしょう。
このカードは恋愛、仕事、対人関係など世俗的なものでも、安心していられるカードかも知れません。
一つの生き方として理想的でしょう。
それなりに柔軟性があって、それなりにポリシーがあって、
自分をハッキリ持ってはいるけれど、他者にも寛容ですし。
ただ、世間知らずのところもあるカードでしょうね。
視野が狭いのではなく、知らない事がたくさんあったり、未経験の事が多い。
臨機応変ではあるけれど、その幅はまだ広くないでしょう。
と言っても、勉強家なので広げていく事も出来るんでしょう。
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