希望。夢。憧れ。感情。好悪。道具。必要な技術。器用。根気。繰り返し。
高望み。空想。先走り。非現実的。感情。好悪。快楽に溺れる。努力の放棄。
ネツァク―イェソド。28番目のパス。18番目の文字。ツァダイ、TS、釣針(トートだと皇帝のヘー、窓)。水瓶座。
天空に輝く星、泉と大地に注がれる水。星のカードです。
息の詰まるようなカードが続きましたが、やっとホッと力が抜けるようなカードが出てきました。
空には左側に四つの星、左側に三つの星、そして中央にひときわ大きく輝く星。
左手奥には山が、右手奥には小高い丘と一本の木、そこに留まる鳥。
手前には全裸の女性が膝をつき、水瓶から泉と大地に水を注いでいます。
裸の人物が出てくるのは、恋人のカード以来ですね。
恋人のカードでは裸の男女と天使が描かれていましたが、ここでは女性一人です。
水を注ぐモチーフは、節制と似ています。あちらでは天使が水瓶同士で水を注いでいました。
最後に、タイトルにも付けられている輝く星。
天空のものがハッキリと押し出されているカードは、これが初めてですね。
そして以降は、月、太陽と続いていきます。
明るくて楽しそうで、それでいてのどかで平和な雰囲気のカードです。夢や希望と解釈されるのも頷けます。
でも、女性が片足を入れて水を注いでいる泉。あの下はどうなのでしょうね。
星のカードに象徴されるような輝きと安定が眠っているのでしょうか。
お風呂場にお水を張って、そこに更にお水を入れたらどうなるでしょう。
お風呂の底の水は動かずにじっとしているでしょうか。
その上に水が重なっていくのでしょうか。
そうではないですよね。
上から水が注がれる事によって、それまで溜まっていた水も循環を始めます。
時には激しく渦を巻き、時には緩やかに広がりながら。
女性は、じっと泉を見つめています。
そして飽きることなく水を注いでいます。
その底にあるものは、塔のカードの世界なのかも知れません。
そこに水を注ぎ込む事により、澱んだ世界を吹き飛ばし、新しい息吹を送り込んでいるのかも知れません。
そうやって確実に脈々と続いていく力。
どこかを指し示している細い道。
途切れる事なく続いていくもの。それを人は希望と呼ぶのでしょう。
04/10/02
このカードは夢とか希望が詰まったカードです。
何かに憧れたり、何かをやってみたいという自分の意志とは無関係に生まれる感情や気持ち、
そんなものを司っています。
ただしこのカードは、あくまで夢とか希望が詰まっているだけで、
それが現実化するかどうかは別問題です。
ですからそう言う想像力とか夢を描く空想力とかが必要な分野では大きな力を発揮出来るかも知れませんが、
合理的とか理性的とか客観的とかそう言うものが要求される分野では、あまり役立たないかも知れません。
例えば絵や音楽、踊りなどの芸術関係では良いですね。
恋愛でも相手を好意的に見たり幸せな未来を空想したりするので良さそうです。
でも、切羽詰まった仕事とか試験まで時間ない状況での勉強とか実践的な物事に関しては少し弱いです。
そこでは夢や希望よりも現実的な手腕が必要になりますから。
じゃあ仕事や勉強では全然役に立たないカードかと言いますと、そうでもないです。
このカードは時間をかけて育てるのは得意です。
なので長期的な視野に立って働いたり学んだりするのも得意です。
余裕があるかないかですね。
時間的な余裕よりも、心の余裕。
周りがアクセクしてしまうと自分も追われたような気持ちになったりします。
例えば朝の通勤通学時間帯の駅の側で、一人が走り始めるとなぜか他の人も走り始めたりしますよね。
それと同じで、感受性が高いこのカードは周りの影響も受けやすいので、
周りがアクセクすると本人の余裕もなくなってしまいそうです。
でも余裕がある時には強いでしょうね。
何年、何十年かかろうと目的を達成してしまう事も出来そうです。
周りのみんなに「無理だよ」「そんな夢みたいな事ばかり言って」と言われていたような事を、
それでも達成してしまうのはこのカードの忍耐強い想像力でしょう。
でも影響受けやすいので、「みんながそう言うから、そうなのかも」
と他人の意見を自分に取り込んでしまって諦めるカードでもあったりします。
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