ルーン占いにおける正逆の考え方は、
タロットカードのマルセイユに通じるものがあります。
タロットカードのマルセイユ版では、大アルカナには正逆が存在しますが、
コートカードを除いた小アルカナには存在しません。
なぜならカードに天地が存在しないからです。
ライダー版を初めとしたた昨今のタロットカードは、
小アルカナの全札に絵札が描かれていますね。
絵には正逆が存在します。
だから小アルカナにも正逆という概念が持ち込めます。
けれど古来のタロットカードであるマルセイユ版では、
小アルカナは数値を表す単純な絵記号が描かれているだけです。
そこに天地は存在しません。
だから小アルカナにも正逆という概念がありません。
マルセイユを使いながら、小アルカナでも正逆を使用する占術者もいらっしゃいますが、
その場合は天地がわかるように印を付けていたり、
最近の天地がわかるカードを使用しています。
上下がわからないカードでは、正逆を判別しようがありませんよね?
ルーンにも同じ事が言えます。
ルーン占いは、ルーンという単純文字を使って占います。
天地が存在する文字もありますが、中には天地が存在しない文字もあります。
そもそも上下という概念がないのですから、
判別しない文字に対しては正逆の概念を使用出来ません。
ただし、これが正解という訳ではありません。
ルーン占いを使用する占術者の中には、
全てのルーンに正逆を認める人、逆に全てのルーンに正逆を認めない人、
一部のルーンにのみ正逆を認める人など、様々なスタンスの方がいらっしゃいます。
全てのルーンに正逆を認めようと思えば、認める事が出来ます。
木片や小石に文字を刻んだルーンでは正逆は使いようがありませんが、
当サイトで使用しているようなルーンカードの場合、
文字そのものに正逆が存在しなくてもカードには存在します。
カードのデザインに天地の概念を採用すれば、
正逆が存在するルーンカードの出来上がりです。
この場合、全てのルーンに正逆の概念を適用できるでしょう。
しかし、ルーンとはそもそもが文字であり、正逆といった概念は存在しませんでした。
そこに後世の占い手法を真似て、後付で正逆の概念を取り入れるのは納得できない。
これもまた、一理あると言えますね。
そして、正逆が存在するものには正逆を認め、存在しないものには認めない。
ルーンという記号で占うのだから、カードによる正逆の付加には疑問を感じる。
あるがまま、見たままのルーンを使用して占う。
それもまた、一つの選択でしょう。
当サイトでは、この考え方を採用しています。
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