「もし、あの時……」って考える事ありませんか? 就職する時にどちらの会社にするか悩んだけど、今の会社を選んだ。後悔はないし順調だけど、あの時にもう一つの会社を選んでいたら。恋人とうまくいって結婚も目前、でも些細な諍いから別れてしまった昔の恋人と、もし別れていなかったら。
そんな「if」を考えてしまう事、あるのではないでしょうか。現実にハッキリした不満がある訳ではない、自分は恵まれていると思う、たぶん幸せなはず。けれども考えてしまう、もう一つの自分の人生。それは歩む事の無かった道に対する、憧れなのかも知れません。
しかし、これだけは断言できます。もし別の道を歩んでいたら歩んでいたで、きっと同じように「もし、別の道を選んでいたら……」と思っている事でしょう。そう言うものなのです。漠然とした不満、何となく満たされない思い、そのはけ口として過去を美化し、選ばなかった道を飾り立ててしまうのでしょう。
でも、それもそろそろ終わりにした方が良いかも知れませんね。最初は小さな小さな「もし」であっても、何度も繰り返す内に少しずつ、それは具体的な形を持ち始め、日常の不満を拠り所に育っていきます。存在しない未来の話しですから、それはどのようにも描く事が出来ます。
今の自分が持っているちょっとした不満、不安、それらを解消する万能薬として完璧な、いつでも自分の都合に合わせてクルクルと変わる未来の形を描いてくれます。そして、いつか「もし」と願う事は、今を否定する事に繋がります。 そんな事にならないうちに、過去は過去の思い出として大切に仕舞っておきましょう。貴方には大切な今があるのですから。
カード:法王、世界、カップの5
|
|